寝台特急アベラ

今回のツアーの特徴の1つが、ルクソールからギザの3大ピラミッドのあるカイロまで、寝台列車で移動するという点です。 両親がエジプトへ来た際には、まずナイル中流にあるルクソールに入り観光して、朝にルクソールから飛行機で河口に近いギザへ移動するという工程だったそうですが、これだと空港へ行って移動するので、半日取られてしまいます。
が、寝ている間に移動できれば、朝からカイロで行動できて時間が節約できる上に、一泊ホテルに泊まる分費用も安く抑えられるという、一挙両得なアイデアが寝台特急アベラでルクソールからカイロに移動するというプランです。

<ルクソール駅>
ファルーカに乗った後、夕食をとりアベラが出発するルクソール駅にやってきました。もうとっぷりと日が暮れていました。

日本では、東京-大阪間の寝台快速銀河(特急にすると早く着きすぎるので快速)も2008年でなくなるというニュースがされていたため、「寝台列車に乗ってみたい」といっていた妻の望みもかなえられ、まさに一挙三得?です。
駅のホームには、日本に様にキオスクのような店舗があるわけではなく、露店?のような個人商店が沢山あり、食べ物やお土産品を売っています。
日本人観光客は格好のターゲットで、お土産片手に片言の日本語で売り込み攻勢をかけてきます。

そうこうしている内に、アベラがホームへ入ってみました動画を見たい方はここをクリックしてください。

<ルクソール駅のホーム>
アベラでは夕食と朝食が出ます。

私たちのツアーは夕食を食べたばかりなので、ほとんどの人が食べなかったようです。
私はがんばって全て食べました。 食事の世話をしてくれるおじさんが、「日本人は食べないな。特に女の子はほとんど食べてない」と言っていたので、「日本人は乗る前にご飯を食べたんだ。けど、私はおいしかったから食べたよ」というと「そうか。 アベラの朝食に期待してくれ、パンがおいしいぞ。」と言ってくれました。

食事の際についてきたミネラルウォーターです。
ちょっと日本人には飲むのに抵抗がある状態のものですが、ホームのお店を見た限りでは、観光客相手でないのなら、このような状態のようです。
アベラ自体はほぼ、エジプト人が主なお客のようで、サービス・料金は観光客向けのものでは無く、豪華な寝台列車というものでは在りませでしたが、それはそれで、日本とは違った旅の風情ということでよいのではないでしょうか。

<ミネラルウオーター>
アベラの一等寝台は、二人用で上下2段のベッドになっています。 2畳程度のキャビン内には簡単な洗面台もあり、設備はまあ日本的に言っても普通です。 日本の地方をこのままの設備で走っていても違和感が無いくらいのしっかりした作りです。
荷物は、立てかけずにベッドの下に押し込みました。 線路を牛が横切ると急ブレーキをかけて列車が停止するので、トランクなど倒れないように気をつける必要があるためです。

食事の世話をしてくれたおじさんの接客もしっかりしていて、アラビア語ではなく普通に英語なので、ミネラルウォーターなどこまかなところ以外は、外国人観光客対応を進めつつ、1グレード上のサービスを目指すといったところなのだろうと感じました。
夜通しで走り続けて朝があけてきました。車窓から、椰子の木のシュルエットの向こうにきれいな朝焼けが見えてきました。

列車に乗る前に、お風呂に入ることが無かったので寝れるかな? という気はしたのですが、割と寝れました。

ガイドのたーちゃんから、カイロ駅についてから「4回ほど急ブレーキがかかりましたが、皆さん寝れましたか?」と聞かれましたが私は気づかず寝ていたようです。
おじさんが「期待してくれ。パンがおいしいぞ。」と言っていた朝食には4種類のパンが...
味は、日本で食べるのとそん色なく、おいしいことはおいしい。私は全ておいしくいただきました。
コーヒーはおじさんがポットに入れてついでくれるので、入れたての様です。
パンと入れたてのコーヒー。シンプルな朝食ですが、3食全てがレストランの食事なので胃もたれしていた中、妙になにか美味しい朝食でした。

いよいよカイロに到着しました。

おそらく、この先食べないであろう日本から持ってきたお菓子をお礼におじさんにあげて、アベラを下車して、ギザ駅に降り立ちました。

ギザの三大ピラミッドはもう直ぐそこです。