ハトシェプスト女王葬祭殿


<ハトシェプスト女王葬祭殿>
古代エジプトで唯一の女性ファラオ ハトシェプスト女王の葬祭殿です。
ハトシェプストは夫のトトメス2世亡き後、子のトトメス3世(実子ではなく妾の子)が成人するまで22年間、女王として君臨した方です。

ハトシェペスト葬祭殿は丘の上に岩山をバックにして建っています。

葬祭殿を背にして写真を撮るとこんな感じで、ナイル川のおかげで広がる緑の大地に置かれた岩のテーブルの上に葬祭殿があるといった感じの場所にあります。
葬祭殿へは、駐車場でバスを降りた後、長めの参道を歩いて、このアプローチに到着します。
アプローチまでは長いので、王家の谷のように電動のバスが運行しています。

この葬祭殿を見ていると、大学で建築史の先生から「威厳のある建築をデザインしたかったら、同じデザインを繰り返して全体をデザインするのが簡単。」と教わったのを思い出しました。
葬祭殿の庇の部分の天井には”ナイルの星”と呼ばれるエジプト夜空をデザイン化した模様が描かれています。
このデザインは、他の遺跡でも頻繁にあるもので、エジプトで”ナイルの星”といえばこの模様だそうです。
ハトシェペスト女王の名前の書かれた柱の前で写真を撮りました。
ファラオの名前は、カルトゥーシュと呼ばれる小判型の枠の中に書かれています。 ハトシェペスト女王のカルトゥーシュは至る所で、削り取られているそうです。 これは、女性ながら付け顎鬚をしてファラオになったハトシェペストを快く思わない一派により、存在を消すために削り取られたというのが、現在では一般的な説のようです。
実子でなかたものの、トトメス3世との仲は良好で、夫の遺言に従い息子が成人するまで、付け顎鬚をしてファラオの地位を守った、母だったというのが、やはり一般的な説のようです。